「終末期ケアと認知症のケアについて」
場所:あいの実事務所
講師:NPOあいの実 管理者 甚野まつ子
介護の仕事は終末期や認知症と向き合わなければなりません。終末期にある方は何を思っているのか、認知症の方は何を望んでいるのか、知らなければなりません。現実に目を向け、必要なケアとは何かを考えました。
参加者の声
- 希望と現実の開きが苦しみになると知った。またその苦しみも4つあり、肉体的/精神的/社会的/スピリチュアルな苦しみがあることが分かった。苦しんでいる利用者さんを理解するのではなく、利用者さんに理解者と思ってもらえることが大切だと分かった。すべては理解できないが、理解してくれる人だと利用者さんに信頼してもらえるように反復や沈黙などを意識的にしていきたいと思った。
- 終末期ケアの場面では励ましは無用だと知った。逃げずに最後まで向き合う援助者になるため、終末期について知っておく大切さを感じた。終末期の利用者さんの心の状態を知り、苦しみを理解し、良い理解者になりたい。利用者さんの支えとなるものを見つけ出してケアを行いたい。
- 私が利用者様を理解するのではなく、「利用者さんが」私を理解者だと思う(主語を変える)ことが必要だと分かった。
- 苦しみの中でも穏やかでいられるか?人は苦しみの中にあっても支えを見つけると穏やかでいられると知った。少しでも苦しいときに心の支えになってあげられるようにケアをしてあげたいと思った。
- 利用者様の話に耳をじっと傾け、受け止める。そして言葉にして返す(相手の言葉を反復して返すなど)ことによって信頼を寄せることになると知った。でも、励ますつもりで安易に言葉を発したりせず、相手の気持ちになってよく話を聞いてあげることが必要だと知った。そのために会話の間をじっと待つなど沈黙が必要だと分かった。
- 苦しみの中でもの、家族がいる、家でわがままがいる、信頼できる仲間がいる、という大事な支えに気付くことによって穏やかに生きられるということが分かった。
- 高齢者の方の気弱な言葉に、今まで励ます言葉を使っていたように思う。相手の言葉をもっとしっかり受け止めて、利用者さん自身が心の安定を見いだせるように接し方を考えていきたいと思った。ターミナルの利用者さんに入ったことはないが、参考になった。
ー認知症のケアについてー
- 認知症のケアでは、その人の大切にしていることや、こだわっていることを知るようにしたい。その人にとっての当たり前の暮らしを知り、自分をその人の暮らしを支える者としてとらえ、自分の価値観を押し付けてはいけないと思った。本人の考えを知る努力、その人を取り巻いている人間関係を知り、配慮しながらケアをしていきたいと思いました。
- 認知でも感情や心身の力は豊なので自分らしく生きられるよう、尊厳と自立をケアすることが必要と知った。ただ、不安や自尊心の喪失、焦燥感や恐怖が押し寄せ、ストレスに耐える力が低下するため、意見や欲求のコントロールができなくなる、ということも分かった。ケアの中でよく観察し、愛情を持ち接し、自分も利用者様から学ぶという関わりあいを持っていきたい。
- 今回の勉強会では自分が認知症になったら何をしてほしいか考えたので、自分にしてほしいように利用者様に接したいと思う。