平成24年-2012

平成24年11月13日 定例勉強会リポート

気管カニューレの種類と、抜けてしまった時の対処方法

場所:あいの実事務所

講師:株式会社 高研 小野寺様

重症のご利用者様が多いあいの実では、気管切開された方も大勢いらっしゃいます。今回はカニューレについての知識を深めました。

参加者の声

  • カニューレの部分の見本をじっくり見ながら確認できました。スピーチカニューレを使用している利用者様がいましたが、声の出る仕組み、またなぜ分泌物ができこびり付くのか理解出来ました。気管カニューレの固定も色々な方法があり、どちらを使用するにしても確実な固定と定期的な確認が必要であることも分かりました。腕頭動脈を傷つけると大出血を起こす可能性があるので吸引時は注意して行いたいと思います。不安な部分もありますが利用者の毎日の生活に欠かせないことなので安全確認、注意を怠らずにやって行きたいです。
  • 気管切開術を受けた患者様の状態により使用すべきカニューレが異なり種類も色々ある事、カフ付きカニューレの使用時、カフ圧が高すぎる場合と低すぎる場合のトラブルと対策について理解が深まりました。気管内の吸引は酸素や湿度も吸引している事に注意し、過度の吸引は避ける事、分泌物の粘度が高く吸引しづらい時は加湿し分泌物を柔らかくしてから吸引したいと思います。
  • 気管カニューレの構造と仕組みについて知る事が出来ました。抜けてしまった場合に関しては、基本医師を呼んで装着してもらうこと(医療行為)を頭に入れておきたいと思いました。
  • カニューレの種類の多さに驚きました。抜去した際のカニューレの装着は新しいものを使う。原則はドクターが行う。装着時は腕頭静脈という太い血管が通っており大出血の危険が伴う事を理解出来ました。ヘルパーの医療ケア(抜去、回路トラブル)は原則認められませんが応急的な処置が必要な場合、アンビューや回路などの予備物についての在庫確認をしておく事が必要だと思いました。現物見本を沢山提供して頂いたので見て触って慣れる事が実際のケアに役立つと思いました。ヘルパーさんの質問も多く、関心の高さがうかがえました。
  • カニューレの細かい性状、気管内の詳しい状態について、使用時の問題点、トラブルの多さに驚いたと共に、いかに自分が危機感なく行っていたかに気付きました。気管カニューレの知識を深め危機感を持ちサービスに当たって行きたいと思います。
  • カニューレには様々な種類があり人工呼吸器を付けている人だけのものではない事が分かった。カフの役割は抜けない為ではなく誤嚥の防止、血液の流入の防止等があると分かった。カフの役割をよく理解しカフ圧など管理したいと思った。
  • 利用者それぞれのカニューレのタイプを確認把握して安全な取り扱いをして行くようにしたいです。トラブル発生時に適切な対応をしていけるようにするためにとても役立ちました。
  • カフ付きカニューレとカフ無しのカニューレがある事、単管タイプと複管タイプがある事、それぞれのメリットとデメリットを知る事が出来ました。更に発声の原理やカニューレ内や奥の貯留物を吸引する為の上部吸引孔、下部吸引孔の付いている新製品について知る事が出来ました。カフ圧が高すぎると神経の圧迫、血流の阻害による麻痺があるため適正なカフ圧をカフ圧計で管理するのがベストである点を理解出来ましたので今後意識して介護に当たりたいと思います。
  • 内腔が汚れやすい方は複管を使用すると良い事、カフのエアを抜く事も内腔を傷つけないために必要である事が分かりました。気管カニューレを使用する事により声が出なくなったり肉芽や傷を付けて出血したり等利用者さんが大変な状況に置かれている事を理解しながら対処できるのではと思いました。思いやりを持って扱う必要があると思いました。
  • カフが長時間接触しているだけで粘膜が壊死してしまったり食道通過時の障害が起こることが分かった。カニューレが動くなら痛みや刺激、負担が多くなり利用者さんの苦痛を増してしまうと思う。吸引の際、体位交換、ベッドを上下する際にカニューレを動かさないように気を付けたい。埃なども吸引分泌物に含まれることなのでカニューレやそれに付属する部品に触れる場合は“清潔”を必ず心掛けたい。緊急時に備えて自分のサービス内容以外の行程も知っておく必要があることが分かった。カニューレの仕組みや出血した場合どんな理由が考えられるか、カニューレが抜けてしまった場合どうしたらよいかなどご家族と話し合っておく必要があることにも気付かされた。全体を把握しておく事で自分自身も安心してサービスを行えるようにしたい。
  • 注意点について、肉芽形成しないように、外れないように、粘膜損傷しないよう判断する点で十分な注意が必要だという事が理解できました。まだ経験してないのですが、知識として真剣な態度で取り入れて行きたいと思います。用途に応じて多くの種類が開発されている事を知り素晴らしいと感じました。
  • 気管内の吸引は痰を出す為に必要不可欠ではありますが、頻繁に吸引すると酸素や湿気も吸引してしまうので適度に行うという点を理解する事が出来ました。気切している人がしていない人より痰が多いのは埃や乾燥、冷気、感染、刺激により分泌物が出やすくなるからということも分かりました。利用者様の適正なカフ圧を覚えておき調整したり気を配って行きたいです。カニューレは抜けたものは再び使わず新しい物を交換した方がよいという点や、気管の近くに動脈が流れているため危険を伴うので医師に連絡するのが最善だという点を学びましたのでそのような事態に直面した時適切な対応が出来ればと思います。
  • カニューレを使用しているのに声が出せる人と出せない人がいてどうしてかなと思っていましたが、現物を見て仕組みが分かって納得できました。カフ圧によって障害が起きるという事で、管理が重要である事は知りませんでした。利用者様のカニューレがどんな種類のものか確認しつつ管理はどうか家族の方に伺い提案があればして行きたいと思いました。医療の現場はどんどん進んでいると感じました。現状に合わせたものが作られていて、カニューレが必要とされている事を学びました。
  • ダブルサクションカニューレを初めて見て知る事ができて良かったです。内筒の掃除をするサービスがあるのでその時はしっかり洗いたいと思いました。呼吸器の設置を左側にすると内筒のロックが外れにくいという点も学べて良かったです。
  • 二重管タイプは外筒・内筒の間に隙間があるので厳密な呼吸管理が出来ないこと、内筒を装着し呼吸器が左側にあるとホース等でロックが緩んでしまう事があるので、呼吸器は左側に設置するという工夫ができることを知りました。清潔厳守の医療機器のため常に清潔を意識したいと思います。
  • 発声の原理を改めて知る事が出来た。発声が上手く出来ない時の点検要因の中に呼気の力が弱い、というのは一番ポピュラーな理由なのに妙に納得してしまった。小児の気切患者さんのケア:フィッティングと素材の問題による肉芽、出血、浮き上がりが発症しやすいのであれば、吸引などによる力の加減で刺激してしまい内壁を傷つけてしまわないよう注意深く吸引する必要があると思いました。
  • 医学の進歩と共に医療機器も日々進歩している事を知る事が出来ました。それを活かすも殺すも使う私たちだと思いますのでこうして勉強させて頂きこれからも知識を増やして行きたいと思います。
  • 分泌物の粘度が高く吸引しづらい時はネブライザ―で加湿し柔らかくしてから吸引する事、一度外れたカニューレは使わない事、カニューレが外れた場合は医師に交換してもらう事、カニューレの首に入っている長さで人によっては上下の長さが違う方がいる事を念頭に置いておくことを学びました。 人の命が関わる事ですので真剣に取り組んで沢山の勉強をして行きたいと思いました。
  • カフの高さにより粘膜壊死の可能性もあるので圧に注意し音でも確認したいと思う。毎回のケアで肉芽、出血、浮き上がりに注意する。カニューレ一式の物品を一通り確認する。シリコーン製にヨード系薬液は厳禁。カニューレを適切に使用しなかった事によりカニューレ抜去が困難になるケースもあるとの事、自分のケア如何によって利用者様のQOLに大きな影響を与えてしまう事を覚えておきたいと思う。
  • 気管切開により、声を出す事、噛む事が困難になり、嗅覚障害、麺類などがすすれない、お風呂・プールに入れない、シャワーを浴びられないといった色々な事ができなくなってとても大変だと思いました。カニューレの管理・使用方法はカニューレの構造や特徴をしっかり理解していかなければ出来ないと感じました。
  • 気管切開されている方が不得意な事の中に、“噛むこと”がありました。気管カニューレを着けている利用者さんの排泄介助に入ることがありますが、排便のためにとても体力を使われているのだと思いました。排泄介助の際、体位など他の点で負担にならない様意識したいと思いました。今まであまり見た事がなかったカニューレの構造なども分かり勉強になりました。カニューレが抜けてしまった場面に遭遇した事はありませんが気切されている利用者さんが何人かいるので非常時に備えて対処方法を知っておくべきだと思いました。
  • 気管切開をしていても声を出す事が出来れば利用者様の気持ちのモチベーションも高くなり日常生活も活発になるはず。声を出せる利用者様はやはりお元気ですし家族の方もあまり負担なくお互い会話を楽しんでおられます。現在お一人の方がスピーチタイプを使っています。本日の勉強会により喉内部がどうなっているのかがよく分かりました。
  • 一口にカニューレといっても様々な種類があることが分かりました。見た目は同じようでも見えない所のサイズや形状は一人一人に合わせてあるので違っていることも学びました。医療者ではないので直接カニューレを触る事はほとんどないと思いますが、利用者さんの体内にどんな形状のものが入っているのかをよく理解してケアに当たりたいと思いました。気切されている方、特にレスピ装着の方の予備の回路やカニューレなど常にどこにあるか把握しておく必要があると思いました。
  • 気管からの吸引はあまり長くしないようにと教えられてきましたが、本人が苦しいのが理由だと思っていました。気管内の酸素や湿気も吸引しているとの事、考えてみれば当たり前です、十分気を付けたいと思いました。
  • 色々なカニューレを実際に手にとって見ることができた。カニューレの構造等をパワーポイントで見ることができ無知の自分にとっては新鮮な思いであった。利用目的により様々なものがあることが分かった。まだ吸引を行なっていないが、今回の勉強会で吸引の必要性を改めて理解出来たように思う。もっと現場で色々な物を見、構造の理解を深め、吸引を行うよう努力していきたいと思う。沢山のスタッフが参加されており皆さんの意識の高さを感じた。
  • 吸引方法はチューブを入れて取り除く方法しかないと思っていましたが、今では自動で吸引する方法も開発されている事を知り、これから色々と使いやすく負担が軽減されるものが使用できるような気がしました。気管カニューレは機能別に使い分けがされていますのでケアに入ったお宅では何を使用しているのか家族の方が気を付けている点に配慮してケアに当たりたいです。製品の説明がほとんどだったので、ケアする時実際にどのような状況が生じるのか、現場で実際に使っている様子も聞いてみたいと思いました。

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