小児の自閉症とアスペルガ―について
場所:あいの実事務所
講師:医療法人 五十嵐小児科 今 公弥 先生
今年度最初の定例勉強会です。今年も充実した内容の勉強会を開催していこうと思います。
なかなか理解することが難しい自閉症。ヘルパーとして出来る最善のことは何か、自閉症の方たちはどんな思いや感覚を持っているのか学びました。また、最近良く聞くアスペルガーという言葉。分かるようで分からない詳しい内容をお聞きしました。
参加者の声
- 本日のお話で、なるほどと思う事が沢山ありました。とても勉強になりました。特に親子関係において愛着が育ちにくいという点で、親の方に対する感情移入がし易くなった気がします。悪天候の中でしたが、お越し頂いた今先生に感謝でした。有難うございました。
- 自閉症のお子様の対応の仕方を分かり易く教えて頂きました。言葉を重ねても相手の理解は得られません。自傷の時、落ち着くまで後から押さえてあげる事を学びました。ヘルパーとして何が効果的だったかをきちんと記録に残して行きたいと思います。
- 自閉症は、言葉のやりとりが難しくコミュニケーションが取れない事を学びました。対応する際、分かり易く・やりたくなる工夫が大切だと知りました。「ダメ」ではなく「?が良い」と言う事等です。視覚で覚え易くなる事が多いので、カード・絵・写真・文字・身振りで対応する事も出来るという点が勉強になりました。安心するように、そのお子様に合わせた行動を認めながら「もっと?すると、良い事がある」と言って、説得より納得させる工夫をして行きたいと思います。
- 自閉症について、ぱっと見て分かるタイプと分からないタイプがある事、検査で分かるものではなく行動の特徴で分かる病気である事を学びました。自閉症とアスペルガ―を混合していたところがあったので、知能や言葉の遅れの点でも違いがある事が分かりました。様々な事例を挙げて下さったので、よく理解出来ました。自閉症にも様々な特徴があるので、その人に合った対応が必要だと思いました。辛抱強い対応も必要だと思いました。
- 自閉症にも色々なパターンがある事や、自閉症とアスペルガ―障害には違いがある事を学びました。それぞれに合った対応方法を考えて行かなくてはならないと感じました。今回の勉強会から、自閉症の方への理解が少し深まった様に思います。
- 症状には、特徴的な言葉の遅れ・対人反応の障害・こだわりや常同行動がある事を学びました。対応の大原則として、分かり易く工夫する事(身振りや絵カード、写真を活用して、見て確認出来るようにし、コミュニケーションの道具を豊富に用いる事)と、またやりたくなる工夫をする事でした。メリハリのある対応をし、良いものは良い、悪いものは悪いとする事、人前ではしてはいけない事、して欲しい事もはっきり示し、情緒的になり過ぎない事を学び大変勉強になりました。
- 自閉症への理解が少し広がりました。時々、感情の交流をしたくなりますが、ご本人にとってはそれも苦痛になっていたのかも…と思いました。ご本人が生活し易く、社会とも共存して行けるようにしていくという視点で、サービスを行なって行きたいと思います。
- 自閉症とは、単語は覚えているがその言葉を使う事が出来ず、考えて言葉を返す事が難しくコミュニケーションが成立しないのだと学びました。その他にも、自然の動作が出ない事や名前を呼ばれても反応しない事、やっても無意味なこだわりがある事等も知りました。子供への愛着が持ちにくいので、親子の関係に配慮・理解を示すべきだと分かりました。言葉が難しいなら、目で見て理解し、パターンがあるならそれを一緒にする等といった対処方法を学びました。新しい事をするのが難しく、いつもと違う事をなかなか受け入れられないという事や早期で信頼関係を築くのは難しいという事も覚えておきたいと思います。大切なのは、分かり易くし、言葉を多くしたりこちらの喜びにしないという事でした。
- 自閉症には“このパターン”というものは無く、個々をより把握し対処しなければならない事を学びました。性格も一様に単純化していないという点も銘記したいと思います。状況として、考えて返答する事が苦手であったり、楽しみを共有しない事や常同行動に関しても本人が望んでいないという事もある等、私にとって耳新しい事ばかりでした。取り組み方の中で、全ての分野の介助に共通している『“出来ない事”ではなく“出来る事”に目を留めて、その部分を活かしてあげるようにする』という前向きな姿勢を忘れないように教えられました。また、「症状よりも、その子がコントロールをどれだけ出来るかに重点を置く」という指導も新しい知識として銘記したいと思います。知識と情報の引き出しを多くして的確に対処出来るように、これからも方法を学んで行く必要を感じました。
- 今、働いている別の事業所のご利用者様で自閉症の方がいらっしゃるので、接した事があります。コミュニケーションが取り辛かったり、とてもこだわりが強い印象があります。自閉症の方は感情を上手く表現出来ないゆえに、不安やストレスを感じ易いと思うので、本日の勉強会で学んだように教え方や接し方に気を付けて行きたいと思いました。安心感を得られるように褒める事や見通しをつけて誘導するような教え方が効果的だという事が参考になりました。
- 自閉症やアスペルガ―といった適応障害等、ご本人の息苦しさが周りになかなか理解されない病気であると考えました。気分や思考の切り替えが出来れば、不安が外へは向かないと思うのですが、その点が難しい病気でもあるので、介助者・社会人として「対応力」「理解しようとする姿勢」が大切な事だと感じました。「不安になった時の自分」を想像してみると、近い感覚になるのではと思いました。
- 知能や言葉の遅れの無いものは『アスペルガ―障害』という事、色々なタイプの自閉症があるが、診断名は自閉症であり、検査して分かるものではなく、行動等を見て判断されるものだと学びました。自閉症の子供さんを何名かヘルパーさせて頂きましたが、勉強会のお話をお聞きして、自閉症の方の行動やこだわりの意味、理解の仕方について知る事が出来て良かったです。この人はこういう人だから仕方ないと思ってしまう時もありますが、ダメな事や時と場所をわきまえる事、叩くのは良くないけど握手は良いというような別の良い提案をする事等、大変勉強になりました。社会生活に必要な事は教える事が大切であり、工夫も大切だという事を学びました。
- 自閉症の子には個々の特徴があるので、ヘルパーはそれをきちんと見極め上手くコントロールする力を育てる必要性を感じました。“やってあげる”ヘルプから、“やる気を出させる”ヘルプを心掛けたいと思います。声を掛ける際にも、色々言葉を重ねると混乱し、益々分からなくなってしまうので、ポイントを押さえて的確に伝える事が大切だという事を改めて実感しました。又、ヘルパー同士でも何か残る形で(メモ・態度)次のヘルパーに引き継ぐのが必要だと思いました。今、私の子どもの学校にも自閉症のお子様がおり、一緒に勉強していますが、まさに今先生が仰っていたような行動を見かける事がよくあります。事情を知らない保護者の方(自閉症に関する知識が無い)は「大変よねぇ」とひと言で片付けてしまっている現状があり、医療で働く看護師の友人とは「何か悲しいね」とお互い残念な思いをしています。