平成23年-2011

平成23年2月16日 定例勉強会リポート

『介護の気づきを深めましょう』

場所:仙台市青年文化センター エッグホール

講師:財団法人 宮城厚生協会 泉病院

リハビリテーション室 山田さゆり 室長(理学療法士)

介護の世界に携わるようになった多くの方は、今まで考えもしなかったような考えや視点に気づくようになります。それらは人と人とが密接に関係する介護の仕事だからこそ得られる人生の糧でもあります。今回は医療介護の視点を持った講師をお迎えし、更に気づきを深めるお話をお聞きしました。参加した方たちは更なる気づきに達したようです。

参加者の声

  • 介護において最も大切な事として、ご本人がどのように世話されたいかを最も大切に知る事である事を認識させられて良かったです。何かやりとりをするなら、背中をせん骨部から肩にかけてさすったり、肩を持ち上げてあげたりするなら、手あてとして相手がとても気持ち良くリラックスされるという方法はとても参考になりました。
  • ストレッチやお身体を摩る事が多く、どうすれば気持ち良く感じて頂けるか分からずに力を入れ過ぎている事が多かったと感じました。今回の勉強会で教わった“当てて緩める”という事を忘れずに次回から実践して行きたいと思います。また、ストレッチの際に普段はリラックスしていて協力動作をして頂いている方でも、たまに力が入っていてスムーズに行えない事がある事を思い返す事が出来たので、無理せず時間を置いてみる等工夫をしていきたいと思いました。決められたプランだからといって、必ずそうしなければという事ではなく、ご本人様の体調を伺いながら気持ち良くケアを受けて頂くようにして行きたいです。
  • 担当の利用者様の中にもデイサービスに行かれる事を消極的に考えておられる方がいらっしゃいます。介護者のご家族をボタンの掛け違いで、気持ちが噛み合わずお互いのストレスになっています。本日学んだ点を提案して行きたいと思いました。
  • ちょうど今、認知症の方に関わっているので、色々な事例が学べて良かったです。人間の体が無意識のうちに、本当に沢山の機能を働かせて“普通の行動”をしている事がよく分かりました。人間の体って素晴らしい!と思いました。片麻痺やふらつきといっても、原因が様々なので、リハの方とよく連携を取らなければいけないと思いました。
  • ご利用者様の手を触って感情を和らげたり、相手の方に合った味付けをする事や、コミュニケーションの取り方、また、よ?く知る事の大切さを学ぶ事が出来て良かったです。
  • 幾つかの事例で考える要素や対応の仕方が異なり、自分では考えなかった事を新たに勉強し理解する事が出来ました。身体機能回復可能な方の場合は、リハビリが当てはまりますが、神経難病の方へ出来る事や支え等もお聞きしたいです。
  • 触覚は第3の脳と言われる事を学びました。笑ってばかりいられる仕事ではないからこそ笑っていられるように努力する事の大切さ等学べる事が沢山ありました。
  • 頭でプログラムだけをしていると、その人にしてあげられる事が出来る場面に行き当たらない事や、その方の担当になるという事はその人をよく知る事である事、理屈で人を動かす事は出来ない事、大切なのはその方の心に寄り添う事だと理解する事が出来ました。
  • 何とかしなきゃという自分の気持ちも大切ですが、ご利用者様がどうして欲しいのかを考える方がより重要であるというのはとても考えさせられました。本当に必要な事は何か、ご本人がどう感じているか、何がしたいのか、ご家族は何を期待しているのか、という視点で物事を考えると現実的で効果的な動きを自分ですることが出来るという事を学びました。事例を挙げて頂いたので、その場面でどう考えどう動けるのかをよく理解する事が出来ました。また、説明の中に参加を交えて考えさせるような仕方で課題を考える事が出来たのがとても良かったです。「努力する事で動きにくくする時もある」という点で、ちょっと痛くても…と頑張る気持ちが体にも精神にもマイナスに働く時もあるという考え方は新鮮でした。ご利用者様に“触る”事は、考えている以上に効果がある事が分かりました。触る事が薬と一緒で、いつも触っている人の手はふわっと優しい手になるとの事でしたので、そんな手の持ち主になりたいと思いました。
  • ご利用者様とコミュニケーションが難しくなった時、最初の視点で考えるという事を教わりました。ついつい慣れで、受け答えをしてしまっている事も多くなっているかも知れません。その時、原点に戻り、ご利用者様が今本当に必要な事を考えるようにしたいと思いました。ご利用者様の目標とヘルパーとしての目標をいつも思いに留める事の大切さも学びました。
  • ヘルパーに求められる事として、援助を必要としている方の要望を受け止め、最良の援助をしたいとの願いを持つ事を学びました。また、大切な視点として、ご本人はどう感じているか、何をしたいのか、どのようにお世話されたいか、ご家族は何を期待しているかをよく考え、私達が何をしたいかでは無い!という事を学びました。人それぞれ違うという事をよく理解し、過去の情報ではなく最新の情報を持っておくことの必要性も学びました。言葉の背後にある理由を考える事や、その時限りの事として見ず、その後サービスを行えるチャンスに目ざとくある事も知りました。経験に工夫をプラスしていくようにと教わりました。ご利用者様に触れる事の大切さについても理解を深める事が出来ました。“手当て”は手を当てると書くので、摩るのではなく当てて撫でるように教わりました。会話をしながら手で触れるなら、ご利用者様の状態を知る助けになり、脳への刺激にもなるので皮膚が変化するという事を知りました。栄養だけを与えて育てた赤ちゃんとスキンシップをとって育てた赤ちゃんとの違いを例に挙げて下さったのでとても分かり易かったです。ご利用者様の体が硬くなっていたら、サービスの速度が早い事の表れであり、ご利用者様の表情が変わったら脳が変化した事のしるしだと学びました。“人に気に掛けてもらえている”という思いは、生きがいに繋がるという事を認識させられました。笑顔は笑顔を呼ぶという点がとても印象に残りました。
  • 理学療法の話しをもっと聞いてみたかったです。現状を維持出来ているかどうかを常に評価する必要がある事や、なぜ転ぶかを分析する事、和室の生活を取り戻そうとする事は向上に繋がる事等を学びました。また、現にしている事をやめないで、どうしたら安全を保てるかをまず考える事、気にかけている事が伝わる様に表現力を身に着ける事の大切さ等を学びました。

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