呼吸器を付けた方の体位変換とオムツ交換、清拭等の注意点
場所:あいの実事務所
講師:東北厚生年金病院 佐藤 理恵子 看護係長 様
今年度最初の定例勉強会です。今年も充実した内容の勉強会を開催していこうと思います。
第一回目は呼吸器をつけた方への介護にスポットを当てました。人にとって呼吸することは生きること。介護を受ける方たち、特に呼吸器をつけた方たちも同様です。機械に頼って呼吸しなければならないために不安を抱えておられる方も大勢いらっしゃいます。呼吸器をつけた方への安全な介護のための知識を皆で学びました。
参加者の声
- 必ず自分の側に引き寄せる事や、途中でもO2のチェックをする事など、いつもやっている事を改めて見返すきっかけになりました。Yガーゼをやめて肉芽がなくなった人もいるという点は、興味深かったです。
- 人工呼吸器の詳しい勉強が出来てとても良かったです。ケアの回数はまだまだですが、訪問させて頂く度に細かな手順や、その意味を知る事が出来て経験を通して勉強させて頂いている事に感謝しています。
- “安定した状態を把握しておく事により、異常の発見をしやすくなる” これまであまり意識する事の無かった点を気付かせて下さり感謝です。呼吸器は命にも関わる慎重さを求められるケアの一つなので、今後十分に留意し携わるよう促されました。
- アンビューの接続で喉に負担がかからない位置を初めて知る事が出来て良かったです。また、呼吸器の正常な時の音をよく覚えておく事の大切さも学びました。
- リハビリで体位変換がある時間帯のサービスに入っていますので、事前準備や体位変換の方法等を確認する事が出来、とても勉強になりました。正常な状態を十分理解しているよう心掛けたいと思いました。
- 実際に今ケアを行なっている内容だったので、とても身近で参考になりました。特に、体位変換を行なう際に、回路を体の側に寄せる事や、十分に吸引を行なってからする事、回路を掛け物の上に出す事など勉強になりました。いつも変化に気付けるようでいられるように注意して仕事に携わって行きたいと思います。
- とにかく慌てないで、ご利用者様の安全確認・安全確保、そして自分の安全も落ち着いて判断し行動出来るように心構えを教えて頂いたような気がします。有難うございました。
- 普段、呼吸器を付けている方にヘルプで入っていますので、いざという時の対応など興味深く聞く事が出来ました。特に、回路の扱いについて実際に回路に触れ、力の入れ加減など体で覚える事が出来ました。個人的に質問したところ、PIPが15?17で推移する方も居れば、肺炎の方は40?50にも達するとの事、肺胞が固くなるとPIPの数値が上がる事もあるという事を知りました。カフに入れる空気も5?7ccを入れる事など、細かい部分で確認が取れましたので安心・自信に繋がりました。
- 途中からの参加でしたので、体交の方法と更衣の方法についてだけお聞きする事が出来ました。何度かサービスに入らせて頂く事によって、ご利用者様の体がどのくらい動かせられるのかやカニューレがどのくらい動かせられるのかが分かってきました。最初の頃より落ち着いて介助出来るようになりました。今日の勉強会でも同じような方法や注意を教えて頂いたので、より自信を持ってサービスを行なえるのではないかと感じました。
- 呼吸器を付けていらっしゃる方のお宅に入らせて頂いていますが、体位変換をする時はカニューレが抜けてしまわないかといつも緊張していました。カニューレの抜去予防の為に回路を一時的に外し、終わってからまた装着する方法も、場合によっては行なえる事が分かり見方が広がりました。清拭等をさせて頂く事もあるので、開始前の準備は念には念を入れたいと改めて思いました。今の時期は特に寒いので、ご利用者様の体調に十分配慮しながら行ないたいと思います。正常を知らなければ、異常に気付く事も出来ないので、日頃から色々な事に注意しながらケアにあたりたいと思いました。
- 呼吸器を装着した方の体位変換を行なう為に、1. 体位変換の目的を説明する。2. 効率良く行なう為の体勢作り(ベッド高さ調整等)をする。3. 環境を整える(人・物・場所)4. 身体の準備をする(バイタルサイン・血圧・SPO2の確認)。体位変換を行なう際には、回路のあそびを十分にとり、引っ張られないようにすることや、呼吸回路を一時的に外して体位変換を行なう事、体をコンパクトにまとめ、ケアをする側が手前に動かす位置で行なう事、接触しそうな部分にバスタオル等を当てる等安全に注意する事などを学びました。
- 気管切開と体位変換について、『無理をせずご家族様に協力頂く』という言葉が強く印象に残りました。なぜなら、今まではどうしても遠慮してしまい「自分はヘルパーなのだからご家族様に迷惑は掛けられない」との思いが強く、全部一人でやっていた部分が大半でした。ただこのやり方だと自分自身も体を痛めてしまいますし、ご利用者様にも不安を与えてしまうかも知れないのでそれだったら協力して頂きながら安全にケアを行なう事が第一であると再認識しました。清拭に関しては、「ちょっと待ってね」という事のないように準備はきちんと行なう必要がある事も学びました。看護士さんも「忘れる事がある」と言っておられたのが印象的でした。
- 呼吸器回路の呼気出口を塞ぐと内圧が上がる事や、回路がずれない工夫として100円ショップの網目の滑り止めシートを巻いてあるタオルの上に巻く事などを学びました。カフ圧を全部抜く前に、サイド口からの吸引をあらかじめ行なう事も学びました。カフ圧の説明がとてもよく分かりました。