高齢者の嚥下機能障害と低栄養化防止について
場所:あいの実事務所
講師:株式会社明治 管理栄養士 高橋亜未様
定期的に開催している嚥下機能に関する勉強会でした。今回はメーカーの講師にお出でいただき、嚥下障害の防止とともに、栄養面でのアプローチのお話も聞くことができました。
参加者の声
- 訪問している方で、決まったものしか食べておられない方がいるので、押しつけがましくない程度に、栄養バランスの良い物を摂取できるようアドバイスできればと思いました。おいしさと手軽さが一緒になっているものが多く、あまり抵抗なく利用できそうだと思いました。口から食べるという、当たり前の事がしづらくなっても、やはり口から食べたいという願いをみんなが持っているということを認めて、これからもケアしていきたいと思いました。
- 高齢になってもたんぱく質やビタミン等は成人と同じくらい必要ということが分かった。それを踏まえ、調理のサービスで役立つような野菜を使ったとろみづけや献立を学べたのでとてもよかった。
- 低栄養は、皮膚の炎症や下肢・腹部などの浮腫、べたべたする唾液など、一見それとは関係ないような症状として現れることもあるので、細かな観察を心がけていきたい。流動食品は、そのままで取り入れても良いが、他の食材を加えたり加工したりと、より楽しくおいしく栄養を摂れるようにひと工夫できると思う。ただ、納豆のようにつなぎになる食材でも、粒の大きいものは誤嚥の危険もあるので細かな配慮が必要だと感じた。味覚を保つのに効果のある亜鉛を積極的に取り入れる要心がけたい。
- 栄養補助食品や流動食品が日々進歩しているので、上手に生活に取り入れていくことを教えてあげることが大切だと感じた。何事も創意工夫が問題解決になると思った。
グループディスカッション
- 舌回し(ゆっくり回す)ことによって唾液が出、誤嚥性肺炎を予防できることが分かった。エアーうがいで気道をふさぐ訓練をすることができることが分かり勉強になった。高齢者は飲み込む力が弱くなっているので調理の際は細く、やわらかく、まとまりやすく、を意識して作る必要があることが分かった。経管接続をされている利用者様のご家族に良いアドバイスができるようになりたい。
- 誤嚥による死亡率を考えると、今日勉強したことをしっかり役立てて生きたい。利用者様の立場に立って考えられるよう試食を役立てていきたいと思った。亜鉛が味覚をつかさどることを考えるとしっかりと栄養状態の把握をしていきたい。
- 加齢に伴う身体変化にご本人やご家族の気づきがあるかどうかは重要だと思った。また、こちらも気付けるようによくご本人を観察しないといけないと思いました。
- ユニーバーサルデザインフードの4区分は購入の目安になることが分かり、これから参考にしたい。①容易に噛める ②歯ぐきでつぶせる ③舌でつぶせる ④かむ必要がない
- 高齢の方はかたよった食生活をしておられることが多いと思いました。低栄養は病気・感染症を招き、回復が遅くなるために、利用者様にお断りしつつ栄養バランスを保つ必要があると実感しました。
- 食事に栄養をプラスするために、缶詰やレトルト食品・冷凍食品などを上手に用いたいと思いました。