手浴・足浴・全身清拭
場所:あいの実事務所
講師:あいの実看護師 金子真弓
ヘルパーにとって基本的な手技である手浴・足浴・全身清拭ですが、とても奥の深い分野です。今回は、あいの実の看護師が清拭の基本と工夫について講義しました。
参加者の声
- 拘縮がある場合は、頭を少し上げたり脇の下にクッションを入れると手浴がし易くなること、寝たきりだと肺の機能が弱くなるが側臥位などになることで肺に空気が入り、痰が出やすくなるなどの効果があることが分かりました。指の間や手のひらなど濡れたままだと水虫になる可能性があるので、乾いているかどうかを観察することが大切。手や足を持ち上げる時は下から関節を支えると利用者様にとって良いことも分かったのでよく覚えておきたいと思います。環境の整備、清拭の手順、コミュニケーションを心がけることなどこれからのケアに役立てていきたいと思います。
- 足底は一方向から力を入れて強めに洗う、タオルは小さくたたみ体からなるべく離さないようにしたいと思います。利用者様に合わせて洗う順番を調整してよい等、幅があることを確認でき安心しました。
- 大事なのはその人にとって気持ちの良い事だということが分かりました。お湯の温度、清拭後の寒さ対策、プライバシー等注意したいと思いました。利用者さんのADLを低下させないようやれる事はやって頂くことを意識してサービスに入りたいと思いました。
- 清拭をする場合は心臓から遠い部位から行なう。(顔→首→腕→脇→胸) 清拭、手浴、足浴も体力を使うので利用者さんの体調の変化に注意することが必要。利用者にとって安全安楽であり気持ちが良いと感じて頂けるよう支え方、お湯の温度、室温、体の保温等に注意したいと思いました。又、コミュニケーションを図りながら楽しい時間を作れるようにしたいです。
- 片麻痺の方は手足浴をする際、健側から始める。拭く際なるべく体からタオルを離さない、湿り気が残らないよう気を付ける。清拭中はコミュニケーションの場になると感じました。利用者にとって気持ちの良い方法とは何かをよく考えたいです。又、皮膚の状態の観察等を忘れないようにしたいと思います。
- 清拭はきれいにするというイメージがありましたが、マッサージやリハビリ効果も含まれているという点、清拭を行う際は体調を確認したり何を行うかを前もって説明したりすることによって気持ちよく感じてもらえるようにすることも大切だと感じました。特に高齢者は皮膚が弱い方もいるのでそのことに気を配りながら行なうこと、ただ拭くだけではなく皮膚の状態をよく観察することも大切だと思いました。
- ヘルパーの体の事も考えて行なって下さい、ということで、ベッドの高さ等を考えたいと思います。お湯の温度はすぐに冷めてしまうので熱めにすると良いとありましたので取り入れていきたいと思います。ケアの時間をコミュニケーションのための良い時間とするよう心掛けたいと思いました。
- 清拭、手浴、足浴のポイントを改めて学ぶことが出来ました。特に呼吸器を付けていたり拘縮や麻痺がある方だと清拭等をするだけで頭がいっぱいになってしまいがちですが、利用者様がリラックスしてコミュニケーションを図りやすくするためにも介護者自身も無理のない姿勢で安心してもらえるようなケアが出来ればと思いました。
- 一般に忘れがちな残存能力の利用、安全第一、カーテンを閉めて行う、更衣の準備の徹底等をこれからのケアに役立てたいと思います。現場にいて思うのですが、仕事を行うことに集中しすぎて利用者様の側に立って物事が出来ていない場合が多いので、利用者様の身体部の痛み等ケースごとによく考えて行なう点でも指導して頂ければと思いました。
- 拘縮があり手浴等が困難な場合、クッションを脇に挟むなどによって可動域を広げることが出来ることが分かった。個人として特に当てはめたいと思った点はタオルを利用者様の身体からできるだけ離さないように拭く事です。思い返すと利用者様にやや不快な思いをさせていたかもしれないと反省させられました。利用者様の皮膚の状態は一人一人違うので注意しながら行ないたいと思います。
- 清拭や手・足浴を単なる清潔保持のためのケアとするのではなく、関節をほぐし体が硬くなるのを予防したり心地良さを感じて頂くためのケアにしていきたい。自分の身体を拭く力加減と他の人の身体を拭く加減とでは感覚が違うので難しさを感じるが、その感覚をとらえられるよう意識したい。
- 事前の準備物を揃えることだけに注意するのではなく、なぜそれが必要なのかをよく考えて準備したいと思います。拘縮があったり呼吸器を付けていたりと難しく思うことが多かったですが、基本的なことをよく押さえて工夫をして行なう大切さを学びました。難しいケアに怖気づくのではなく前向きになるため、もっと色々学んで当てはめていきたいと思いました。
- 各グループで意見を出し合い、自分と同じ方法だったり違う方法もあることが分かりました。これからの季節は暑くなる日が多くなり体を拭く機会も増えると思うので今日の勉強会で考えたポイントに留意して行なっていこうと思います。
- 手順ばかりを気にしすぎてコミュニケーションを取りながらというよりは夢中になりすぎてしまっていることが多いので、たくさん話しかけることを意識的に行いたいと思います。寝たきりで呼吸器を付けている利用者さんの清拭を怖く感じていましたが、ベッドの位置などをきちんと調節した上で行なえばそこまで恐怖を感じずに行なえると思いました。ケアばかりに気を取られすぎずに利用者さんのプライバシーや寒さ、終えた後の体調にも注意を払いたい。
- 実際に今日考えたような方もいれば、まだ経験したことのないようなケースもあったので、サービスに入る時にしっかり思い起こして行きたいと思います。ヘルパー同士の意見交換を行なって自分なりの方法にならないように気を付け、より良いケアを行なっていきたいと思います。
- 確立された方法があるものの、利用者毎に、ヘルパー自身創意工夫することのできる分野だと気づかされました。コミュニケーションの時間としても用いたいと思いました。
- 全身清拭は寝たきりの方にとっては背中に空気を送り、喀痰作用があることが分かりました。常に下からの関節を支え安楽な姿勢にすること、常に利用者様の表情に注意し声掛けしながら行なうことを心がけたいと思います。ヘルパーの姿勢もボディメカニズムを取り入れ、腰等に注意し安定した姿勢で行なえるようにしたいと思います。
- 何年も手・足浴や清拭を行なってきましたが、他の人の話を聞いて今まで限られたシチュエーションでしかやってきていないのだと思いました。改めて基本的な事も含めて再確認する事が出来て良かったです。