【公開勉強会】
認知症高齢者の理解と生活の捉え方
人権擁護の理解と意思決定支援
場所:日立システムズホール仙台 エッグホール
講師:大橋洋介 弁護士
認知症や身体障害があると、自分の考えを表現できなかったり、意思決定が難しかったりします。それでも、私たちはそれらの方々の人権を真剣に考えていかなければなりません。人権擁護の専門家をお招きし、公開勉強会として非常に興味深いお話を聞くことができました。やはり、「人からしてほしいと思う通りに,人にもする」というのは本当に大切だと考えさせられます。
参加者の声
- 自分の行っていることが相手の権利を侵していないか?傷つけていないか?を疑う必要や、ケアの中で事実を確認して見守っていく必要があることが分かった。自分の行為・考えに麻痺せず、鈍感にならず、敏感にならなくてはいけないと思います。実例を出してのお話でとてもよく理解でき、大変勉強になるお話で、興味深い重いでした。
- 何を食べる?どこに行く?何を着る?など日常生活の意思決定は本人が出来る。本人の意向を無視してはならない。ベストインタレスト…最善の決定が出来るようにするようこれからのケアで役立てていきたい。後見人が行えるのは本人が出来ないところだけで、連携と丸投げが違うことを知った。普通とは何なのか?自分がやっていることは本当に正しいことなのか?本人やご家族が望んでいるとしても、それが正しいとは限らないので、心が麻痺したり、鈍感にならないよう、いつも自己吟味が必要だと思った。
- 「エール」という団体の動き・働き・活動がもっと世間に認知され、応援していければいいと思います。普通に生活できることの意味を考え、本人を中心にした生活が出来ることの意味を考え、本人を中心とした生活が出来るよう、寄り添っていける介護を望みます。一歩間違うと気づかないうちに「慣れ」てしまうことが怖い。無意識で相手の人権を侵害してしまう。それも、悪いと思わない事、本人も気づかないことが怖い。周囲の理解と事実確認を地域のサポート体制と連携していくことが重要なのでは、と思った。
- 利用者様の話の中で「おかしい」と思った時には、分かる範囲で確かめたり、お話出来る方に話すなど、利用者様を守れたら良いです。早い時に察知し、今後どんな問題になるかを考える事、事実確認やサポート体制の重要性を理解できた。現状は、いろいろな報道を聞きますが、人権侵害が多いと思いました。自分に出来ることは少ないかもしれないが、意識して生活することの大切さを考えさせられました。
- 利用者様から罵声をかけられることがありますが、なぜそういう言葉を出したのか、本人の様子、自分の声がけが足りなかったとか、原因を考えようと思いました。本人の人権を侵害していないか、気を配りたいと思います。自分の心が麻痺していないか、鈍感になっていないか、チェックしながらサービスを行っていこうと思いました。経験は「慣れ」のためではなく、疑うために使う、という言葉が耳に残りました。後見人に任せたい気持ちはわかるが、やはり、本人の意思が尊重されるよう働きがなされているという点に納得しました。いろいろな経験から、時間があっという間に感じました。自分の状況に置き換えて考えることで習慣にしようと思いました。
- 認知症の方や重度障害の方の人権に対する認識を改変させられました。ご家族が対応している事や、慣れていることでも、人権を侵害していることがあるということに気付かされましたので、問題意識を持つこと大切さを気付かされました。察知する能力は、本人との距離感だというお話がありました。日頃のご本人の様子をしっかり観察したいと思いました。
- 後見人がいるからといってすべての判断を後見人に委ねるわけではなく、本人の意思が重要になる。また、事実確認をするのは法律に携わっている人よりも、身の回りの世話をしている人だと知った。今回の講習を受けて、なぜ虐待が起きるのか-知らず知らずのうちに虐待になってしまう-ことが分かりました。