NPOあいの実は設立10年の節目を迎えることができました。
ひとえに、ご利用者さま、また関係する皆さまのご協力、ご支援によるものです。
また、これまであいの実を支えてくれたスタッフのおかげでもあります。
この場をお借りして皆々さまに感謝をお伝えします。
本当にありがとうございました。
小さなスタート
特定非営利活動法人あいの実は、平成17年4月18日に法人設立認証されました。
仙台市泉区にある一軒家の一角でひっそりと介護の仕事が始まりました。
当初は数人のヘルパーと数人の利用者さまでスタートします。
しかし、当初から現在のあいの実のスタイルである「本当に必要なサービスを届ける。難しくてもチャレンジする。」精神がありました。
当時は正式に認められていなかった、たん吸引のサービスを試行錯誤しながら始めます。
福祉と医療の間に入り込むのは容易なことではありませんでしたが、家族の本当の必要を満たすには絶対に必要なサービスとみなし、チャレンジが始まりました。
誠実でやさしいスタッフたちにも恵まれました。理事長の思いを汲み、皆がやりたがらない分野に一緒に足を踏み入れてくれました。
飛躍
たん吸引をやってくれる事業所ということで評判になり、利用者さまもスタッフもどんどん増えていきます。
個人の家の一角で営業するには限界となり、現在の事務所に移転してきました。
たん吸引をやるということは、利用者さまも重症の方、難病の方が多くなり、難病支援が得意な事業所という明確なカラーが表れてきます。
積極的なスタッフ教育にも一層力が入るようになっていきます。
スタッフ全員が毎月の勉強会に出席することが義務付けられました。
お医者様、カウンセラー、福祉機器のメーカーさんなどをお招きし、多岐にわたる学習機会が設けられるようになります。
スタッフは、どんどん成長していきます。
たん吸引ができるスタッフもどんどん増えていきました。
震災
24時間365日のサービスを行っていたスタッフにとって、震災は大きなチャレンジとなりました。
一晩中アンビューバッグで命をつないだヘルパー、ご利用者様を助けるために津波に向かって車を走らせ間一髪で助けたけれど車が流されたヘルパー。
電話が通じず、お互い連絡が全くできない中で、たくさんのスタッフが自主的にご利用者様を訪問し始めます。
みなが自分にできることを精一杯行いました。
スタッフ自身が被災者であるにも関わらず。
ご利用者様の生命に被害がなかったことにホッとすると同時に、スタッフのプロ意識に感動した時期でもありました。
新たなチャレンジ
これまでのサービスでも、重症心身障がい児の子どもたちと接してきてはいましたが、居宅だけでのサービスの限界も見えていました。
もっと何かできないか。
それで、全国的にもまだ珍しい重症心身障がい児を対象とした放課後デイサービスを開設し、さらに珍しい入浴サービスを始めます。
運営のリスクや、サービスのリスクを考えると、やらないほうが楽かもしれませんが、子どもたちや家族の要望に応えたい一心で開設する決心をしました。
放課後デイサービスの開設は、覚悟が必要です。
なぜなら、重症心身障がい児の一生に関わる決意が必要だからです。
子どもたちはこれから大人として成長し、自立していきます。
学校を卒業したらさようなら、というわけにはいきません。
卒業したらどうするか。
あいの実のチャレンジはまだまだ続きます。
次の10年へ
これまでの10年で、あいの実は特徴ある高度な技術を提供する事業所に成長してきたと自負しています。
しかし、 これまで築いてきたものに安住するつもりはありません。
ご高齢の方、難病の方、重症心身障がい児の子どもたち、そして関係するすべてのご家族の方々のためにチャレンジを続けていきます。
今後とも、特定非営利活動法人あいの実をよろしくお願いいたします。