「痰(たん)」は、健常者であれば自分で吐き出せるものですが、重い障がいを持つ方たちは自分で吐き出すことができないので、放っておくとたんが詰まって息ができなくなり命に危険が及びます。ですから、たん吸引は重症者介護には必須のスキルです。
以前は、たん吸引は医師法等によって医師や看護師等のみ実施可能な行為でした。平成24年度から、介護職員によるたんの吸引が将来にわたってより安全に実施されるように、「社会福祉士及び介護福祉士法」が一部改正され、一定の研修を受けた介護職員がたんの吸引等の行為を行えるようになりました。
あいの実は、設立当初からたん吸引に積極的に取り組んでおり、スキルを身につけたヘルパーがたくさん在籍する訪問介護事業者となっています。
1号研修とは
1号研修ってなんだ?と思われた方も多いと思いますが、正式には「喀痰吸引等研修第1号研修」と言います。喀痰吸引等研修とは、「たんの吸引」と「経管栄養」を行える介護職員等を養成するための研修です。
喀痰吸引等研修には、1号、2号、3号があり、通常は3号研修によって介護サービスが行われています。しかし、3号研修は「特定の対象者」に対してのみたんの吸引ができるので、どんなにスキルがあっても、利用者一人ずつに対して研修を行う必要があり、急なニーズに対応することができません。
一方、1号研修は「不特定多数の利用者を対象」としているので、ご利用者様が入院から家に戻ってきたその日からたん吸引のサービスを行うことができます。
1号研修を修了するには基本研修58時間、実地研修 5日間が必要で、ハードルの高い研修です。
あいの実では1号研修修了ヘルパーが11人在籍しており、急なサービスにも対応できる体制を整えています。これからも在籍ヘルパーのスキルアップを支援していきます。